どうする?教員の働き方改革 行事、部活……改革の方向性を提案

働き方改革

 教員の働き方改革はどうすれば実現できるのでしょう。そのことについて書きます。

 先生の仕事はブラックで今先生たちは苦しんでいます。このことが世に広まり、教員のなり手が不足し、教員採用試験の倍率も下がっています。

 ブラックになる原因はシンプルです。先生の仕事が多過ぎるのです。解決するには、先生の人数を増やして一人当たりの仕事量を減らすか、単純に先生の仕事量自体を減らすしかないです。

ニーナ
ニーナ

記事がとても長いので、目次から興味のある見出しに跳んでください。

もちろん順に読んでくださっても良いです。

政府(文科省)ができること

 教員の人数を増やすことは政府(文科省)が決断すればできます。学校に配置する教員の人数の基準を変えればいいのです。「学級数がXクラスの学校にはY人の教員を配置する」のYの数字を大きくすればいいのです。

 できない理由は簡単で膨大な人件費がかかるからです。全国には非常に多くの公立学校がありますから、配置基準を変えて各学校の教員の人数が数人ずつでも増えれば膨大な人件費になります。

 とはいえ、防衛費や海外への支援金は一瞬で増やす決断をするのに、教員の働き方改革のための予算をケチるというのはどういうことなんでしょう。

 もしもお金を使うのが嫌で人を増やせないなら教員の仕事を減らせばいいです。文科省がやる気を出せばすぐにできることがあります。学校教育法施行規則の標準授業時数を減らせばいいのです。

 もちろんそれをすれば学力低下に繋がると文句を言われるでしょう。でも学校で習うことで「これいる?」と思う内容はかなりあると思いませんか?

 専門家から見たら「この内容は入れてほしい」と思うものでも、一般の人から見たら「社会に出てから役に立たない」内容は結構あるでしょう。

 小中学校では本当に基礎的な内容に絞って学習し、それぞれの子が興味のある分野、得意な分野を高校以上で学習すればいいと思います。

 中学生は毎日ほぼ6時間授業を受けていますが、学習内容を絞って5時間になるようにすれば先生の仕事は減りますし、子どもたちも生活にゆとりができるでしょう。

 小学校も学習内容を絞って授業時数を減らし、6時間の日をなくして5時間や4時間の日を増やせばいいのです。

 子どもが4時間で帰ってくると働く親が困ると言うなら、小学生の子を持つ親には子育て休暇(半日もあり)を取れる制度を作れば良いです。

 部活も早く地域移行してほしいし、教員の残業を増やす土日の行事や宿泊行事も禁止してほしいです。(部活の地域移行については後で書きます。)

自治体や校長の裁量で……?

 文科省がこうすると言えば自治体は付いてきます。

 自治体や学校長の裁量でできることもあるのでは?と思わなくもないですが、無理でしょう。彼らは「子どものため」に仕事を増やすことは簡単にやります。実際に働くのは教員で、自分は「やりましょう」と言うだけですから。

 「教員のため」に仕事を減らすことはやる気がないです。他の自治体や近隣の学校、地域の住人、保護者といった人たちの顔色を窺いますから。

 更に言うと、当の教員自身も働き方改革の足を引っ張る存在です。

 中学校の教員には部活が大好きな人がいて、朝や放課後の部活を一回減らすことにも不平を言います。行事の縮小や書類の簡素化を提案しても、去年までと同じが良いと主張する教員がいます。

 「子どものため」なのか「仕事の内容が変化するのが嫌」なのか分かりませんが、教員自身が働き方改革を阻むという一面もあるのです。

 文科省が英断すれば働き方改革はできます。しかし残念ながら英断する様子は見られません。ならば教員ができることを書きます。

 正直教員ができることは文科省ができることと比べたらささやかなことです。それでも教員がみんなでやればかなり変わるはずです。

定額働かせ放題

 私が若い頃(40年くらい前)は日教組がまだ強かったです。特に東京の日教組は凄かったらしいです。当時東京の小学校の先生は午後4時には退校していたそうです。教員は昼休憩が確保されていないので、それを放課後に振り替えていたのだそうです。

 今思うと昼休憩が確保されていないのは事実なので間違っていないと思いますが、このことをNHKが放送したとき、地方の先生たちは衝撃を受けたと思いますし「やりすぎだ」と感じたと思います。

 日教組が特定の政党と関わりが深いことや、中学校での「荒れ」が全国的に問題になってきたこと、他の職種の人たちが残業してモーレツに働いていた時代背景などもあり、日教組は批判され弱体化します。

 教員は給特法によって残業しても残業代をもらえません。(給特法:教育職員には原則的に時間外勤務手当や休日勤務を支給しない代わりに、給料の月額の4%に相当する額を「教職調整額」として支給することが定められている。これを13%にする案を文科省が出したようですが、果たして財務省がOKするでしょうか。)

 残業がなければ良いのですが、組合が弱体化し残業に反対する力はなくなりました。教員の仕事は無制限に増え「子どものため」と言われれば何でもやらなければならない、定額働かせ放題の仕事になってしまいました。

 しかし、そうした先生方の善意とやりがいで成り立っていた長時間労働にも限界がきています。過労死レベルの残業やストレスのために病気になる先生が増え、欠員が出ても補充の教員がいないためにさらに仕事が増える、という状況の学校が増えています。

 私のように退職した元教員にも補充の要請が来ましたが私は断りました。そのいきさつは「退職した私に講師の話が」(https://nina-kyoiku-blog.com/taisyokugo)に書きました。

 そんな状況ですが、文科省の対策を待っていて自分が倒れたら損です。何とか自分たちでできる働き方改革をしなければなりません。

仕事を減らすという視点を持つ

 とかく先生たちは真面目過ぎます。あれも子どものため、これも大事と言って仕事を減らしません。それに先生方は自分の仕事のやり方に固執します。以前にやった方法が上手くいったという成功体験があるので同じ方法でやりたいのでしょう。

 例えば運動会を縮小、変更しようとすると反対する先生がいます。運動会で優勝を目指すことで学級をまとめるというやり方が上手くいった経験がある担任は、運動会を変えることを嫌がります。

 “運動会を9月に行うと熱中症や台風の心配があるので廃止して、4月末くらいに球技大会を行いましょう、ドッジボールなら練習時間もいらないし、年度始めの学級内の親睦を目的とすれば意義あるものにできるでしょう”という提案が出されたとします。

 この提案はあなたの学校で通るでしょうか。

 運動会に向けての練習を学級作りに生かしてきた先生や運動会当日の子どもたちの盛り上がり、生き生きとした表情や姿をイメージすると、なくすのは惜しいと思う先生は反対するかもしれません。

 しかし練習のために授業時間を使ったり朝や放課後に練習時間を取ったりすることは、授業時数を圧迫し、体力のない子や教員の疲労を増やします。

 台風シーズンなので、雨が降れば練習計画の変更を話し合ったり練習方法を工夫したりといった仕事の負担が増えます。最近は熱中症への配慮で練習を変更することも起こり得ます。

 夏休みが明けてすぐ運動会の練習を始めることが心身の負担になって不登校のきっかけになる場合もあります。

 例年やってきたことを変えるのを嫌う傾向はどんな仕事でもあると思いますが、仕事を減らすという視点で見れば9月の運動会より4月の球技大会の方が優れています。

 これまで通りが良いと考える先生の気持ちを変えるには、新しい提案の良さを具体的に示す必要があります。

 学校にもよると思いますが、校長、教頭、教務、学年主任といった人で構成された運営委員会の先生方が承認すれば実行される、という組織ならその人たちを説得しましょう。

 声の大きい人がいて影響力があるなら、その人を説得しておくことです。日頃から「仕事を減らす」ことを職員室で話題にし、同じ考えの味方を増やしましょう。時短の提案をする前には色々な先生に話して味方を増やしておくといいです。

 運動会を例に挙げましたが、他にも様々な場面で仕事を減らす方法はあると思います。

行事の廃止・縮小

 上に9月の運動会を4月の球技大会に変更する例を書きましたが、行事を縮小することはやる気があればできると思います。

PTA関連の行事の廃止・縮小

 意外に手を付けやすいのはPTA関連の行事だと思います。保護者の皆さんの中には、言い方は悪いですが学校の行事を面倒だと感じている人が結構います。だからPTA関連の行事は減らすことができる可能性があります。

 私が勤務していた学校で、家庭訪問をなくしたことがありました。学校長が言い出したのです。近隣の学校で家庭訪問をやめたところがあり、それに影響されたのだと思います。

 「今度PTAの執行部に話してみる。」職員打ち合わせで学校長が意を決したように言いました。職員は誰も反対しませんでした。

 PTA執行部の会議があった日の翌日に校長が言いました。「先日お話しした家庭訪問廃止の件ですが」職員は息を飲みます。「廃止に決まりました。」

 私は小さくガッツポーズをしました。先生方も笑顔です。

 「反対意見が出るかと思いましたが、副会長のAさんに『やっと廃止してもらえるんですか。良かったです』なんて言われて拍子抜けしましたよ。」と校長は言いました。

 それを聞いて先生方は「えー!」と言っていましたが、いや、私も自分の子が小中学生だったとき、担任が家庭訪問に来るの嫌でしたもん、って思いました。Aさんの気持ちわかります。

 家庭訪問の替わりに「希望する保護者との三者懇談」をすることになりました。クラスにもよりましたが、三者懇談を希望する保護者はクラスの3分の1くらいでした。家庭訪問よりは仕事はかなり減ったと言えます。

 PTA活動と言えば、コロナの影響でPTA総会をやらなかった年がありました。総会資料を配布し、承認するかどうかは保護者メールで回答する、という方法で行いました。

 コロナ後に色々な行事を復活させた学校も多いと思いますが、保護者にアンケートを取って、今後もPTA総会は「資料配布→承認はメールで」という形で良いかを尋ねたら、賛成する保護者が多いと思います。

 PTA総会に集まりたい保護者は多分それほどいないと思いますから。

 他にも、保護者を動員して子どもや教員も参加する清掃活動とか、PTA主催の講演会とか〇〇教室等、やめても大丈夫そうな行事はやめればいいと思います。

何となく恒例になっている行事の廃止

 学校の特色を出すために始めた行事が毎年恒例になって続いていることがあります。

 「夏休み作品の展示会」「書初め大会」「百人一首大会」「全校集会での代表生徒の発表」「生徒会(児童会)主催のクラス発表」等、意外と準備が大変で担任にとって地味にプレッシャーのかかるこれらの行事は、本当に必要かどうかを検討した方が良いと思います。

 学活や総合の時間内に準備が済むなら良いですが、休み時間や放課後に担当教師で準備をしたり、担任が子どもを指導したりしないとできないとしたら、やめる方向で良いと思います。

外せないと思い込んでいる行事の廃止・縮小

 学校で外せないと思われている行事は結構あります。前回例に挙げた運動会などはそうです。他には、修学旅行や宿泊研修などの宿泊行事が挙げられます。

 はっきり言って宿泊行事は一番廃止するべき行事だと思います。行くまでの準備がもの凄く大変で、当日は早朝から深夜まで気が抜けず、教員の責任は重大でリスクが大きいものだからです。

 しかも学校教育で担うべきとは思えない活動が多過ぎます。その大変さやリスクについて書いたら、それだけでブログ記事をいくつも書けそうです。

 宿泊行事のことを振り返ると、教員として37年間無事で過ごせたことは奇跡で、私が出会った子どもたちがまあまあ良い子たちだったことに感謝したい気持ちになります。

 大袈裟だと思うかもしれませんが、残業をたくさんして用意周到にミスのないように準備をし、なおかつ運が良かったからできたと思います。(もちろん、子どもが体調不良になってバタバタしたとか、きまりを破る子がいて指導!とかそんなことは当然ありましたが。)

 リスクだらけで特に教育的でもない行事はなくすべきです。

 他にも終業式や始業式など、夏休みや冬休みの前後に体育館に集まる集会は当然やるものと思い込んでいるかもしれませんが、なくして良いと思います。

 コロナの頃は各教室で放送を視聴する形で行った学校が多いと思いますが、今はコロナ以前のように体育館の集会に戻している学校が多いと思います。

 けれど体育館へ移動する時間がもったいないですし、体育館はエアコンがない学校が多く、暑さ寒さに耐えなければなりません。

 各教室で視聴する形で短時間で終わり、早めに下校できる日程にすれば良いと思います。

 例として色々挙げましたが、各学校の実態に応じて様々な方法があると思います。前回も書きましたが、教員の中に「働き方改革は大切。仕事を減らそう。」と考えるムードを作ることが大事です。

 今回挙げた中で、宿泊行事の廃止は難しそうだと思います。(子どもがすごく楽しみにしている行事なので、子どもも保護者も反対しそうだから。)

 でも他の行事については職員間の合意があればできますし、宿泊行事もできるだけ仕事を減らす形はあると思います。(1日目の集合時刻を遅くし、最終日の帰宅時刻を早める。旅行社や旅行先の企画を十分利用して教員が考える企画を減らす等)

 一番心掛けたいのは「教員が楽をすることは手抜きで子どもにとってマイナス」という考えを教員自身が捨て、時短や効率化を考えることは当然で大切なこと、という認識を持つことだと思います。

ICTの活用

 仕事を減らすためにITCを活用したいと考える人は多いでしょう。私はITCに詳しくはないので、私の経験の範囲になってしまいますが、学校現場ですでに行われていることの多いITCの活用を「仕事を減らす」という観点で見直したいです。

保護者メールの活用

 保護者との連絡に保護者メールを使っている学校は多いと思います。学校行事についての連絡をメールで行うこともよくあると思います。

 そのとき、紙も配りメールも送るという学校があると思います。(私の勤務した学校はみんなそうでした。)紙の方は廃止しましょう。両方やるなら仕事が増えただけです。全校分を印刷することや教室で配ることは手間です。

 授業参観やPTA活動の出欠確認をしたい場合は、メールに返信機能を付けましょう。紙を集めるのは担任の負担が大きいですし、担任から紙を集める教頭先生のストレスもなくなります。

 出欠や未返信を自動的に集計、確認する機能を付けて、未返信の保護者には返信を請求するメールを送れるようにすると良いです。

欠席連絡メール

 保護者が子どもの欠席をメールで連絡できる学校が増えていると思います。Xを見ていたら「メールで簡単に欠席連絡ができると、安易に欠席させる親が増えるからやらない」と反対する校長がいる、というツイートを見ました。

 意味がわからないです。

 朝、欠席連絡を受けるために誰かが電話番をしているはずです。その人の負担を想像できないのでしょうか。その校長が電話番をすればいいと思います。

 保護者から電話がある。担任に替わりたくても勤務時間前だからいない。出勤していても朝部活をしているからいない。教室で仕事をしているからいない。だから用件を聞いて欠席連絡のメモを書いて担任の机上に置く。欠席者黒板に欠席者名を書く。

 電話番の人はこの作業を40分ほど断続的に何度もしなければなりません。

 だいたい親の判断で欠席させることを良くないみたいに思う感覚がおかしいです。そんなことで不登校が増えると考えているとしたら、不登校に対する理解もない校長だということです。(不登校の原因については他の記事で書きました。)

 欠席連絡メールは欠席するときのみ入れてもらい、欠席理由も記入できるようにします。欠席者黒板の記入は担任が朝教室に行く前にメールを確認しながら行いましょう。

 欠席メールが入っていないのに子どもが登校していない場合は、保護者に電話で確認します。電話が繋がらなければ、保護者個人宛に登校していないことを連絡するメールも送るといいです。

職員間の連絡はPCと紙の併用で

 職員間の連絡をPCでできるシステムがある学校は多いと思います。でも上手く活用している学校は少ないと想像します。PCを開かないと情報を読めないというのは忙しい先生方にとっては不便なことだからです。

 例えば今日の健康診断の手順と学活の内容を朝知りたいとき、PCを開いてメモを取るよりすでに手元にある提案文書の紙を見た方が早いです。

 紙で子どもに見られて問題ないものならそれを教室へ持っていき、紙を見ながら子どもに説明することもできます。

 紙の情報なら、今日必要な書類、明日必要な書類と重ねて週案簿に挟んでおき、使い終わったら廃棄すればわかりやすいです。

 職員会提案はホチキスで止めず、会議中に提案を聞きながら、保管するだけの書類と行事のときに見直すであろう書類に分けて、別々に保管します。(保管するだけの書類は即廃棄でもいいくらいです。見たいときはPC内のフォルダを見ればよいので。)

 行事が近付いてきたら書類を取り出して週案簿に挟んでいつでも見られるようにします。

 さらに良いと思う方法は、PCを見ながら会議をすることです。「何月何日の会議で提案する書類」というフォルダをPC内に作り、提案者はそこに提案文書を入れます。それを各自のPCで開いて提案を聞きます。

 こうすれば印刷しなくても済みます。紙が手元にあった方が便利な文書は、必要と感じた人自身で出力します。

 提案者が「内容を徹底させたい」「会議後に内容を変更したので知らせたい」と考えたなら、適切な時期に全員分を印刷して机上に置くか、打ち合わせなどで「行事が迫ってきたので職員会提案を読んでください」とか「提案したときから××の部分を変更したので確認しておいてください」と伝えればいいです。

 PCを見ながらの会議は嫌がる人もいそうですが、慣れればとても便利だと思います。確実に紙の節約になりますし、印刷作業をする人の労力がなくなります。

まとめ

 ITCの活用という題なので、もっと高度な内容を期待した方がいたら申し訳なかったです。教員でITC技術の高い方は、いろいろな場で活用のしかたを発信してもらえるとありがたいです。そういう方に積極的に教えを乞うとITCの活用が進むと思います。

 私の経験ではITCに長けている人は、質問すると喜んで答えてくれる印象です。普段はお互い忙しいので、夏休み等に勉強できるといいです。

 私が現役だった頃、成績処理やタブレットの使い方については特にたくさん教えてもらったり助けてもらったりしました。役立つ知識を教員同士で学び合えるといいと思います。

生徒用タブレットの活用

 今は生徒全員にタブレットが配布されていると思います。Xを見ているとその運用には自治体や学校によって差があるように感じます。

 夏休み中は学校に保管しているというポストを見ましたが、何のためのタブレット配布か?と不思議に思います。子どもの自主学習に活用させなければ宝の持ち腐れです。

 そういう学校は少数だと思いたいです。私が勤務していた学校は長期休暇中は持ち帰って自主学習アプリをやらせていました。生徒がどれくらいやったかを教員がチェックできる機能もありました。

タブレットは誰の物?

 子どものタブレットが壊れることに学校が神経質になって、使用を制限することがあります。タブレットがよく不具合を起こすとか使いづらいという不満も聞きます。

 機種の問題なのかシステムの問題なのかわかりませんが、ITC教育を充実させるなら、費用をケチらず使いやすい機種やシステムを選んでほしいものです。

 そもそもタブレットを貸与にするからタブレットが壊れることに気を遣うことになります。中学校に配布したときは使用年数が少ないので貸与にしても仕方がないのかもしれませんが、小学校から使うなら購入で良いと思います。

 ITC教育は国の政策ですから、補助金をたくさん付けて安く購入させてほしいです。壊れたときは親が修理に出すようにします。どこの業者に相談したらいいかを保護者に伝えておいて、あとは保護者の判断で修理すればいいです。

 情報担当の先生が個々のタブレットの修理にいちいち対応していたら、先生の仕事がとんでもなく増えてしまいます。

タブレットの活用による時短

 明日の予定の変更、持ち物の追加や確認の連絡を子どものタブレットに送ったことがある先生がいると思います。とても便利です。

 いっそのこと朝の会で話す内容は始業前にタブレットに送り、帰りの会で話す内容は放課後に送ることで、朝の会と帰りの会の時間を5分ずつ短縮すればいいと思います。

 5分ずつ短縮すれば10分早く放課後にできます。それにタブレットに送れば欠席した子や不登校の子も担任の言葉を読んで、その日のことがわかります。

 伝えたいことがたくさんあるときは、放課後のメッセージを長めに書いて学級通信の替わりにすることもできます。印刷する手間と紙が節約できて一石二鳥です。

 文章を書くより話す方が楽だという先生もいると思いますが、連絡や心構えを伝えるだけの日は箇条書きで簡単に書き、しっかり伝えたいことがある日は少し長めの文章にすればいいので、それほど大変ではないと思います。

 子どもはちゃんと読むのか?と心配になるかもしれませんが、子どもはタブレットを開くのが好きなので、朝の会、帰りの会の前後に必ず読むと思いますよ。

リモート授業の勧め

 コロナで休校が多かったときに、リモート授業を試みた学校も多いと思います。結局対面授業の良さを再認識しただけだと思いますが、いざというとき(災害時やパンデミックが起きたとき)にリモートで自宅にいる子どもたちと繋がれるのは心強いです。

 という理由を付けて、年に数回リモート授業を行いましょう。

 給食後、子どもたちを下校させ「午後〇時からリモート授業を始める」と伝えて行います。間違っても朝リモート授業を行い、その後登校させるなどとしてはいけません。(コロナのときこれをやりましたが、登校時刻がバラバラになって非常に煩雑でした。)

 午後ならリモート授業が終了したら終わりです。問題点の検討などは翌日以降でいいです。その日は先生方も子どもたちも余裕のある放課後になるでしょう。

タブレットやスマホに関わるいじめ

 タブレット等の使い方を指導することはITC教育そのものなので、当然学校でも行います。

 「タブレットは丁寧に扱う」「許可なく写真を撮らない」「ネットで見つけた画像やテキストは条件の範囲内で使う」「他人を傷つけることを書き込まない」等のルールを教えて、ルールの範囲内で自由に使わせたいものです。

 けれどスマホを使ったいじめが時々問題になります。スマホやタブレットを使っていても、いじめに対する対応は一般的ないじめと同じだと思います。(いじめの対応についての記事は以前に書きました。)

 タブレット端末は学校で把握できるはずなので匿名性はないですが(子どもが勝手に別垢を作って匿名にできてしまうかもしれませんが)、個人のスマホだと誰が書き込んだかわからない、ということが起きます。

 ただ学校で起きている人間関係に関わって起きているなら、問題がスマホの中だけということは少ないと思います。リアル世界で聞き取ることで「あの子かも……」が出てくる可能性は高いです。

 そうなれば普通のいじめとして指導すればいいですが、今の時代、リアル世界では全く問題がないのにSNSで誹謗中傷されるという可能性はゼロではありません。

 それには先生は手が出せません。学校では問題がないということを保護者に伝え、警察に相談するか、子どもがSNSを見ないようにする、SNSのアカウントを作り直して、新しいアカウントは限られた人にしか教えないようにする、等の自衛策をアドバイスするしかないでしょう。

 これはいじめの指導ではなくSNSとの付き合い方指導ですが、そういう指導も必要な時代なのかもしれません。

 この項目は働き方改革とは関係ありませんが、最近ネットを使ったいじめの問題をよく耳にするので書きました。

 タブレットを教科の授業で使うことについては書きませんでしたが、そちらは各教科で色々な実践があると思いますので、大いに活用しましょう。

部活の地域移行

 部活の地域移行を進めたい、ということは何年も前から言われていますが、なかなか進まない地域も多いようです。部活は中学校、高校では「あって当たり前のもの」として何十年も存在しており、日本の社会に定着しています。そして、教員のボランティアで成り立つ仕組みが確立しているからでしょう。

 これを変えようとすると2つの問題が立ちはだかります。1つは指導者の問題、もう1つは組織の問題です。

指導者の問題と組織の問題

 部活顧問(教員)以外にコーチ(地域指導者)を入れている部活は多いです。コーチに部活動を完全に任せれば教員の仕事でなくなるのでは?と思いますが、そう簡単にはいきません。

 理由はいろいろあります。

1,平日の練習を見られるコーチは少ない。

 現状コーチに給料は支払われません。少ない謝礼でほぼボランティアで引き受けてもらっています。ですからコーチは仕事を持っていて、自分の休日である土日しか指導できない人がほとんどです。

 平日は顧問が部活指導をし、土日もコーチが来られなければ顧問が部活の面倒を見ている場合が多いです。

2,同じコーチが永遠にいるとは限らない。

 コーチはボランティアですから、自分の事情でできなくなることがあります。仕事の都合、家族の都合、体調の問題など、いつ辞めることになっても誰も文句は言えません。そのときは次のコーチが見つかるまで顧問がコーチ役をせざるを得なくなります。

3,子どもや保護者からの相談がある。

 コーチは競技の指導をするために部活を引き受けますが、子どもの扱いに慣れていない場合もあります。子どもや保護者はコーチに対する不満を学校に言ってきます。

 そういうときは顧問が間に入らざるを得ません。部活が学校と切り離された存在ならそんなことにはなりませんが、そうではないからです。

4,中体連が教員の組織である。

 高校にも同じような組織があると思いますが、中体連で説明します。(私は中体連のことしかわからないので)

 私は部活熱心な教員ではなかったので、中体連の組織にそれほど深く関わったことはありませんが、それでも中学校教員としてずっと部活顧問をしていたので、毎年多かれ少なかれ関わりはありました。

 中体連主催の大会(季節ごとに大会がある競技が多いので年3,4回)はその競技の顧問の先生が運営します。

 例えば女子バスケットボールの市大会なら、市内の各中学校の女子バスケ部顧問のうち1名が集まって委員会を組織します。今は各部活動の顧問は1名か2名なので、中学校教員の半分以上がこの組織に入ることになります。

 委員会のトップである委員長が中心になって大会の運営をします。委員会の先生方は分担して、会場の設営、審判の手配、賞状や弁当の準備、会計、駐車場の整理、試合結果の取りまとめ、開閉会式の進行など、大会のすべての仕事を行います。

 この組織はすべての競技にあるわけで、野球、サッカー、陸上……と、とても多くの教員が関わっています。そして大会は市大会だけでなく、地区、県、全国等あって、それも教員の組織が運営しているのです。

 夏の大会は夏休みに行われますが、それ以外は土日、県によっては平日にも試合があると聞きます。もちろん大会の準備のための会議や試合申込の事務などは平日に教員がやっているわけです。

 ただでさえ忙しい中学校教員がこんなことまでやっている、ということを一般の方たちに知っていただきたいです。大会の運営をするとささやかな日当と弁当がもらえることが多い(もらえない大会もある)ですが、丸1日拘束されます。

部活の地域移行を進めるために

 これまで書いたように部活の運営は主に教員がボランティアで行っているので、その仕事を完全に地域に移行するのは容易ではないです。

 本気でやるなら各自治体教育委員会の学校教育課か社会教育課に「部活動地域移行チーム」みたいな部署を作って進める必要があります。

 学校体育指導者(=部活コーチ)の身分や給与(というか今より多い謝礼)を保障し、仕事内容を明確にします。これまで教員がやっていたことをすべて部活コーチに行ってもらいます。

 平日の指導(大会の運営含む)が問題になると思うので、その部分を補う人材についても考えます。教育委員会等の自治体職員が出向くとかアルバイトやパートを雇いましょう。

 練習場所は主に学校になると思いますが、場所の割り当てや管理はその学校の部活コーチ同士の話し合いで決めます。コーチの中に「コーチ長」のような人を作って調整役をしてもらいます。もちろん謝礼は多く渡します。

 部活コーチへの謝礼は自治体から出しますが、活動の費用は保護者から徴収する部費です。部活コーチの募集や指導(仕事内容の伝達)は自治体で行います。

 学校は活動場所を提供するだけになります。活動場所の鍵(体育館、部室など)の管理や活動場所の整頓などは部活コーチが責任を負い、問題があったときは自治体の部署が対処します。

 これを全国的に行うには、文科省から各自治体に「こうしなさい」と言えばできます。文科省に言われなくても各自治体が「こうします」と言えばできます。

 問題はやる気があるかどうかです。

 教員が多忙になり過ぎてなり手が減っている現状に対して、本気で改善する気になれるかどうかが問われます。

学校としてできる働き方改革

 これまでの記事でも書きましたが、教員の働き方を変えるためには行政の力が必要です。

 しかし文科省はやる気がないです。(お金を出して人員を増やすことをしない。学習内容を減らして授業時数を減らすといった、根本的に仕事を減らす改革をしない。)

 自治体もやる気がないです。

 教育委員会が研修を強制しない、調査やアンケートを強制しない、学校の設備、備品、IT機器のメンテナンスの金をケチらない、教員を補助する人員を増やす、等々、教員が残業せずに済む環境を作るためにできることをもっとしてほしいものです。

 そして教職員集団も働き方改革に本気ではないです。

 コロナで縮小した行事を大して検討もせず、以前の通りの規模に戻した学校は多いと思います。「子どものため」の一言で仕事を増やして平気な教員が多過ぎます。

……とまた愚痴になってしまいました。こうした働き方改革には逆風の環境の中でどうするかを考えましょう。

どの部分を減らすのか

 「教師の仕事:基本の話」の記事の中で「仕事の優先順位」について書きました。

 教員の仕事の優先順位は次のようにしましょう、という内容です。

1,子どもの命に関わること

2,保護者から頼まれたこと

3,子どもが個人的に頼んできたこと

4,管理職や学年主任や担当の先生が指示したこと

5,自分の仕事

 本来教員が一番するべき仕事は「5,自分の仕事」(教材研究や学級経営等の指導方法の工夫、改善)であるべきです。

「1,子どもの命に関わること」が最優先なのは当然としても、2~4は何とかならないものかと思います。

「1,子どもの命に関わること」は最優先と書きましたが、最優先になっていない場合もあります。熱中症アラートが出ていても部活の試合や試合に向けての練習を行う学校があります。

 いじめで自殺する子がいますが、学校がいじめ予防に適切に取り組んでいないせいだと私は思います。

 こうしたことが軽んじられるのは、優先順位が間違っていると思います。

 話を戻します。

仕事を減らすガイドラインを作り、みんなで守る

 「2,保護者から頼まれたこと」「3,子どもが個人的に頼んできたこと」「4,管理職や学年主任や担当の先生が指示したこと」については、勤務時間内に対処するためのガイドラインを決めて徹底することが大事だと思います。

 例えば勤務時間外にかかってきた電話は取らないことを徹底します。残業して残っているのがいけないのですが、残業してまで仕事をしているのに電話まで取る必要はないです。欠席連絡をメールで行えば始業前に電話を取る必要もありません。

 保護者への連絡もメールを使うようにすれば、「プリントを失くしたのでください」と言われなくなりますし、時間外に電話で連絡する状況もなくせます。

 授業で子どもに渡すプリントも、失くしたら後からは渡さないことを徹底します。これで教師がプリントを探したりもう一度印刷したりする手間を省けますし、子どもがプリントを大切にする意識を育てることにも繋がります。

 個人的な相談も勤務時間外には行わないことを徹底します。放課後に質問に来た子どもに勉強を教えることや、保護者の相談に乗ることも基本なしです。(いじめと進路の内容で緊急性のあるものはその限りでない)

 私は現役の頃、放課後(というか18時以降)に不登校の子や親に散々付き合ってきました。そんな私が言うのもなんですが、これをやってしまうときりがないです。

 私が自分の家族を放っておいて遅くまで仕事をしていたことは、良くなかったと思います。もっと時短意識を持つべきだったと反省しています。熱心な先生と見られたい、そうでないと不安だったのです。

 不登校の子は学校以外の機関と繋げてそちらで活動することを主にした方が良い場合が多いです。学校にはいつでも戻れることを伝えつつ、本人が戻ろうと思えるまで待つというスタンスの方が、子どもは早く気持ちを切り替えられます。(本人の悩みが深く、追い詰められている場合はその限りではない)

 不登校の子が活動できる場は限られているし、子どもが学校から離れていることを親や教師が不安に感じるから、放課後に短時間でも学校に来る、という選択をするのだと思いますが、本当に子どものプラスなのか考えるべきです。

 子ども自身が学校に戻るステップとして放課後に顔を出すことを望むなら、何時までにと決めて来させることもあるかもしれません。

 その場合は来週からは授業時間に別室登校するとか教室に入るといった目標を持たせるべきでしょう。

 気が向いたら放課後に来なさいと伝えて、本当に気が向いたときだけ来て担任とダラダラ一緒にいる、ということでは意味がないです。

 こうしたことは担任任せではなく、学校として指導の基準を作らないと上手くいかないと思います。「去年の担任はやってくれた」と言われて、何日も放課後付き合うといったことになってしまうからです。

 不登校の子の例を書きました。一見子どものためになると思うことでも、本当にそうなのか、他の方法はないのかを検討して、勤務時間外の仕事を減らすことが大事です。

 研修をしましょう、会議をしましょう、見回りをしてください、アンケートをして集計結果をまとめてください、全クラスこの掲示物を作りましょう、これについて通信を書いてください、等々、それ本当に絶対必要?という仕事を増やさないようにするべきです。

 その仕事を増やすことで残業しないといけない人がいるなら、その仕事はやめるべきです。

 教員は残業ありきでやっている仕事が元々多過ぎます。(中学校だと、定期テストの採点や成績付け、進路の書類作りはその代表ですし、重めの校務分掌や部活もそれです。)

 だから仕事を減らす検討はするべきですが、増やす検討はするべきではありません。増える=却下が正しいです。

 管理職が「教育委員会から降りてきたことなので」と調査しろだの意見を出せだの言うのも、仕事が増えることなので断ってほしいです。

 そうはいかないと言うなら、せめて「これは先生方の仕事を増やすので困ります」と教育委員会に文句を言うくらいはするべきです。言われたら何でもやる、という姿勢でいるから平気で仕事を振ってくるのです。(校内の仕事も同様ですね。)

最後に

 戦後日本が経済成長したのは労働組合のおかげという考えを聞いたことがあります。労働者の地位と給料が上がり、良い消費者となったことで経済発展したと言うのです。

 今の日本は逆です。労働者の地位も給料も上がらないので、倹約して安い商品しか買わない消費者となり、経済は停滞しています。

 教員は生活が安定している労働者の代表だと思いますが、給料は上がらず時間の余裕がないので良い消費者にはなれません。政府が考えるべきなのはもちろんですが、教員自身ももっと現状を変える意識を持つべきです。

 給料が上がらないのに労働時間ばかり増やすのは子どものためにも国のためにもならないと考えて、働き方改革に取り組みましょう。

個人の仕事の削減

 教員が自分で働き方改革をしようと決意したとき、一番壁になるのは「他の先生に迷惑をかけないか」という不安や「他の先生がやっていることを自分がしないこと」の不安だと思います。

 でもだからこそ「私は定時退勤に取り組んでいます」ということや「残業になるのでこれはしません」ということを口に出すことが大事です。

 「あの人はそういう考えの人」ということを周りに理解してもらうことから始めましょう。考えに共感したり「自分もやってみよう」と行動したりしてくれる人も現れるかもしれません。

 そしてとりあえず他の先生たちと関わりの薄い仕事から削減しましょう。

1,学級通信をやめる

 紙の通信は印刷の手間がかかるのでやめます。「生徒用タブレットの活用」のところで書きましたが、子どもに伝えたいことは基本タブレットに書いて子どものタブレットで読ませます。

 学級通信を書くのに時間がかかるのは、まとまった文章、まとまった紙面にして印刷しないといけないからです。連絡事項だけをタブレットに送るなら、箇条書きでも短い文章でも気になりませんし、今日は少し長めの文章で書く、写真を入れるといったことも簡単です。

 学級通信を読みたい保護者もいるかもしれないので、年度始めに「タブレットに担任の文章を載せること」や「子どものタブレットは保護者も見てほしい」ということを親にも子にも伝えましょう。

 タブレットは子ども個人の物ではなく、学校と保護者を繋ぐ役割もあることになります。子どもがタブレットをどのように使っているかを保護者も見ることができる状況になって安心なので、一石二鳥です。

2,日記にコメントを書くことをやめる

 「生活の記録」といったものに、短い日記を書かせている学校があると思いますが、それを毎日提出させてコメントを入れて返すのは、手間がかかる割に効果の薄い活動だと思います。

 毎日全員提出を目指したとしても、強制的な宿題で書く日記は内容が薄くなりがちで生徒理解にはそれほど繋がりません。

 書きたい子が書く、担任に伝えたいことがあるときに書く、ということで良いと思いますし、これも日記ではなくタブレットを使って担任に伝える、ということも可能です。

 悩み事などは紙に書くよりタブレットを使って伝える方がこっそり伝えられる、と感じる子もいると思います。

3,積極的に先人に学ぶ

 ここで言う先人は、職場の人も本の著者もネットで見かけたブロガー等も含みます。学級経営や授業に活用できるものは積極的にもらって真似したり参考にしたりするようにしましょう。

 作ったプリント類はサーバー内で共有し、教員同士で自由に使って良いという協定を結びましょう。自分にとって参考になる実践を持っている人(同僚でも著者でも)をたくさん見つけて要領よく取り入れましょう。

 同僚の先生たちとの交流は、実践を取り入れるという良さもありますが、自分の働き方改革に対する考えをわかってもらうことで、時短を良しとする考えを校内に広める意味もあります。

4,「やめましょう」「縮小しましょう」と言ってみる

 Xを見て、部活を拒否している先生がいることを知りました。

 私が経験した学校ではそういう人に出会ったことがありませんし、それを言う雰囲気は皆無でした。私の自治体の学校は全員顧問が当然でした。でも「副顧問しかできません」と言っている人はいました。

 その場合は部活熱心な主顧問と組むことで、実質部活の仕事はしない状況を作っていました。とはいえ試合の引率が2人必要な場合は行くとか事務仕事の一部を担うくらいはしていたと思います。

 それに自分の子が幼いとか、親の介護があるとか、本人が体調不安を抱えているといった事情がある人しか「副顧問しかできません」カードは使っていませんでした。

 部活に関してはコーチや保護者に任せる部分を増やすことで、顧問の仕事を減らすのがとりあえずは現実的かもしれません。

 コーチがいれば練習の指導はもちろんコーチの仕事です。選手登録や登録料の振り込みをコーチと保護者でやってくれた部がありましたし、保護者が当番で練習を見てくれて、体調不良の生徒が出たときは当番の保護者がその生徒の保護者に連絡してくれる体制だった部もありました。

 そうなると顧問は何のために練習に来ているのかわかりませんが、顧問なしでも成り立つ形を作ることは部活の地域移行に繋げる一歩だと思います。

 部活以外でも「行事の廃止・縮小」で書いたように、「この行事はやめましょう」「やり方を変えて縮小しましょう」と意見を言うことが大事です。

 それをなくすこと、縮小することは思いもしなかった同僚や管理職も、ふと「確かにそうかも」と思ってくれる可能性はあります。教員の仕事は「以前からやっているから惰性で行われていること」が案外ありますから。

 先の記事では書かなかったことですが、通知表の所見、道徳や総合学習の評価、コンクール作品の応募、地域の見回り(交通安全、夏祭り、夏休みパトロール等)、夏休みやテスト前の補習、夏休みの宿題、教員の日直業務、校内研修等、「やめましょう」「縮小しましょう」場合によっては「私はこれはやりません」と言って良い仕事があると思います。

最後に

 自分がやらないことで、他の同僚の負担が増えることはさすがに言わない方が良いこともあると思いますが、「みんなでやめる方向にしませんか?」というアイディアは積極的に口に出していきましょう。

 個人でやる働き方改革には限界があるとは思いますが、個人が時短推奨の考えで動くことで他の人たちもその考えを取り入れ始めれば、学校としての働き方改革に繋がると思います。

 「千里の道も一歩から」やれることから始めましょう。

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