不登校の原因と対処の方法 歴37年教員の経験談

教師の仕事

 不登校は多くの学校にある課題ですし、私も多くの不登校生徒と関わってきました。以前いじめについてシリーズで書きましたが、あのときは勢い良く書けました。こうすればいじめは防げる!という自信があったからです。

 お前が生徒や職場に恵まれていただけだろう、と言われるかもしれません。でもいじめの取り組みはどの学校でもやる気を出せばできるし、効果を上げられるものなのでぜひ参考にしてほしいです。(いじめ対策 https://nina-kyoiku-blog.com/ijime

ニーナ
ニーナ

不登校の問題は難しいです。

私の経験が皆さんの事例に生かせるかどうかはわかりませんが、精一杯書いたので参考にしていただけると幸いです。

不登校は難しい

 不登校について書くのは難しいです。理由は、上手くいったと思える事例があまりないからです。

 いや、不登校だった生徒が学校へ毎日来るようになった事例はありますし、中学校では不登校だった生徒が高校へ進学してからはちゃんと通って卒業したという事例もたくさんあります。

 しかし多くの場合、生徒自身が成長して自力で学校に行けるようになったということであって、教師がこれをしたから来られるようになったということではないのです。

 世の中には「私が担任としてこのように働きかけたことでこの生徒は不登校を克服したのです」みたいなことを言う先生がいなくはないですが、「本当にそう言える?」と思ってしまいます。

 確かに不登校になった子に担任が様々な手立てを打って登校するようになった事例はありますが、それは担任の手立てとその子の心の成長がたまたま嚙み合った事例だと思います。

 担任の働きかけが逆効果になることもありますし、全く効果なし、ということも珍しくありません。こうすれば必ず結果につながるという方法はないのが実情です。

 だからここで書くのが難しく感じるのです。とはいえ、不登校で悩んでいる生徒、親、先生は多いので、何かしらの発信はしなければと、おこがましくも思っています。

 現役の頃、たくさんの不登校生徒と出会いました。その経験から学んだことを書きます。

不登校の原因

 いじめられたから、先生に叱られたから、ある教科の授業が嫌だから、朝起きられないから等、様々な理由で不登校が起こります。しかし、ほとんどの場合それはきっかけ、もしくは間接的な理由です。

 もしも原因があるならそれを取り除けば改善するはずです。原因を取り除いて登校できるなら、それは不登校ではなく一時的な登校渋りです。一時的な登校渋りは不登校とは違います。

 原因やきっかけとなったことを取り除いてもなお登校できない状態が続くのが不登校です。表面的な原因を取り除いてもその子の不安や辛さが変わらないのは、もっと根本的な原因があるからです。

 誤解を恐れずに言うと、その子は学校生活に対して不適応を起こしているのだと思います。

 そんなふうに言うと「子どもが悪いと言うのか!」と怒られそうですが、不適応というのはアレルギーのようなもので、その子の努力で何とかなるものではありません。誰が悪いという話ではないのです。

 不登校を考えるにはそこから始めないといけないと思います。

不登校の経緯

 不登校はどのように始まるのでしょう。よくある経緯を書いてみます。

 ある日子どもが学校に行くことを渋ります。熱もないし体調不良ではなさそうです。親さんは焦ります。(気持ちはわかります。我が子に何が起きているか不安でしょうから。)子どもと話して原因を突き止めようとします。

 学校に「『~という理由で学校に行けない』と言っております!」と電話をかけます。担任も焦ります。そんな問題があったとは!……ということで何とか改善しようとします。

 しかしクラスの子に様子を聞いたり、家庭訪問をして本人と話したりして、原因と思われることを解消しても登校できません。欠席が増えてくると、親さんは学校に何とかしてほしいと様々なことを求めてきます。

 そこで担任は別室登校を提案したり、クラスの子に授業のノートを届けさせたり、最近の事例ならタブレットを使ってオンライン授業をするといった配慮をしたりします。

(今ふと思いましたが、こうして親さんから色々言ってもらえるのはありがたいことです。担任が色々しても一向に登校しないことに親さんが業を煮やして「もう!いいです!」と担任を拒否し、担任がしばらく何もせず様子を見ていたところ、教育委員会から学校長に「担任が何もしてくれない」と親から電話がありましたよ、という電話が入る、ということがあります。何かしてほしいなら、教育委員会より学校に連絡してほしいものです。)

 学校が対処することで親さんの気持ちは軟化していきます。原因は学校ではなく我が子にある、と感じ始めます。不登校に関する本を読んだり医療機関を受診したりするようになります。やがて長い目で見るしかないと悟ってもらえます。

 ここに至るまでがまず、学校としては大変です。こうした個に対する対応は現実問題として教員の負担になります。スクールカウンセラーやスクール相談員は助けになりますが、彼らは非常勤や複数校の兼務ですし勤務時間は短いです。彼らは本人や親と話すことはできますが、教室とその子を繋ぐ役割は担任でないとできません。

 親さんが長い目で見ようと腹をくくることは、親さん自身にとっても子どもにとっても学校にとっても良いことではありますが、それで子どもが登校できるようになるわけではありません。ここから始まると言ってもいいほどです。

 とはいえ、親さんが長い目で見ようと精神的に落ち着いたことがきっかけで、子どもが変化することはあります。親子の話し合いができるようになったり、引きこもっていた子が短い時間なら登校してみると言い出したりすることもあります。

 親さんの心の安定は良い方向へ繋がることが多いです。これは間違いないです。

不登校の原因(起立性調節障害)

 不登校の原因として最近知られるようになってきたのが起立性調節障害です。 

起立性調節障害とは

 起立性調節障害はホルモンのバランスの乱れが原因と言われます。思春期はホルモンバランスが乱れやすい時期なので、この病気が出やすいそうです。

 本人は学校に行きたいのに朝起きられない、だるさを感じて動けない、午前中は不調だが午後になると楽になる、といった状態になるようです。

 このような状態だと学校が嫌でサボりたい子、みたいに感じられて本人も苦しみます。夜は元気で「明日は学校に行けそう」と思うのですが、朝になると体調が悪いのです。

 学校の先生は親さんから連絡を受けて、前回書いたように「学校における原因を取り除く」努力と「学校とその子を繋ぐ」努力をしていきます。

 学校生活にこれといった問題がないので、親さんは子どもを医療機関に連れて行きます。本人が体調不良を訴えるので最初は小児科や内科に行きますが、異常なしと言われます。

 だとすると心療内科や心の相談室のような所に行きたいですが、今はそうした所の需要が非常に高く、予約が何週間も後になることがあるようです。

 そうやって相談ができて、起立性調節障害の診断をするお医者さんもいれば、そういう診断は簡単にはしないと言うお医者さんもいます。

起立性調節障害の子に対する学校の対応

 一時的な登校渋りなら、原因を取り除くなどして本人の気持ちが落ち着けば学校に来られるようになりますが、起立性調節障害やそれに類する症状で学校に来られない場合は長くかかることを学校側も覚悟しないといけません。その状態を認めて受け入れましょう。

 「怠けてるだけじゃないのか?」とか「本当は何か原因があるのでは?」と疑って、本人を問い詰めたり強く当たったりすることは、登校不安を助長するだけなのでやめた方がいいです。

 医師からアドバイスをされたり薬を処方されたりしている場合は、学校としてもその内容を理解し、協力できることがあれば協力していきましょう。

 午後や夕方に登校できるなら登校させて、外に出る機会を作ります。学習面のサポートができるならします。

 私が経験した中だと、授業には出られなくても行事には出席する子がいましたし、宿泊行事や部活に出席するという子すらいました。他の子たちも「休んでいたAさんが来られて良かった!」と案外すんなり受け入れます。

 「授業に出ないのに自分がやりたいことだけは参加するなんて!」という考えもあるでしょうが、引きこもるよりは良いと思います。

 学校として参加させられないということなら、できないと言ってよいと思いますが、保護者と相談しながら本人ができることはさせるという方向にした方が、親子と学校の関係が良くなりますし、問題もなかったです。

不登校の原因(人間関係のこじれ)

 子どもが不登校になると親子が精神的に落ち着くまで少し時間がかかります。特に不登校のきっかけがいじめなどの仲間関係にある場合や、担任や部活顧問、その他の教員との関係にある場合は精神的に落ち着かないことが長く続きがちです。

 最初は不登校のきっかけが明確ではなかったけれど、担任の対応に不満を持ったことで学校側に問題があって不登校になったと考えるようになり、関係をこじらせることもあります。

 このような状況は良くないです。親と学校は協力して子の支援をするのが本来の姿なのに、親が学校に不信を募らせて敵対関係のようになります。

人間関係のこじれが原因の不登校への対処

 いじめや教師との関係が不登校のきっかけとなった場合は、親子とも(もしくは親が)不登校の原因は学校にあると考えています。まずは学校側が原因を取り除く努力をします。

 このとき直接きっかけになった事柄から遠い教員が親の相談に乗れると良いです。教頭や場合によっては校長、養護教諭、教育相談担当教員等、親が信頼しそうな人を対応役にして、とにかく親の話を聞くところから始めます。

 いじめが原因だと担任は辛いですし、あの先生が原因だと決めつけられた場合、その先生もまた辛いです。しかし、そこは大人の対応をしていくしかないと思います。

 いじめが原因の場合は担任が中心となって事実関係の確認から行い、普通にいじめの指導を行います。いじめた側の子が謝ると言うならそのことを伝え、謝ってほしいと言うなら場を作ります。会いたくないと言うならいじめた子の謝罪の気持ちを教員から伝えます。

 普通のいじめの指導と同じ手順を踏むわけです。それで不登校が終われば良いですが、そうならないこともあります。学校での人間関係に恐怖心ができて不適応を起こしてしまった場合です。いじめ自体の心配はもうない、という状況ができても登校への不安は続いてしまいます。

 いじめ以外でも、教員の指導のし方等が原因で学校に来られなくなる場合があります。子どもの気持ちをよく聞いて改善することを伝えます。この場合も恐怖心で不適応を起こしていると不登校は続いてしまいます。

 いじめの場合もそれ以外の場合も、登校しても大丈夫だよ、何かあったら先生たちはすぐに対処するよ、あなたの味方だよ、と発信し、不安を取り除くようにしてやる必要があります。

 家庭訪問をする、別室登校を促す、学習の支援をする等を行いますが、学校の人員は限られているので、親子が十分満足する支援を行うのはなかなか難しいです。それでもできる限りの支援をしていきましょう。

 外部機関(自治体の教育支援センター等)が頼れるなら、親子をそちらとも繋げるようにします。

 不登校に対しては根気強く支援を継続していくことが大切です。先生方が子どもを支援する姿を見ることで、親さんの学校への不信感も少しずつなくなっていくことが多いです。

家庭環境が原因の不登校

 家庭環境だけが原因で不登校になることはあまりないと思いますが、不登校を生じやすい家庭環境はあると感じます。

母子分離不安等、親子関係に起因する不登校

 私は心理学の専門家ではないので断定的には書けませんが、母との関係が弱すぎる、もしくは強すぎる場合に、母親と離れることが不安で登校できなくなるケースがあるようです。

 小学校の低学年の子に多いですが、高学年や中学生でもあると言われます。母親の愛情を強く求めているのに十分得られず心が安定しないため学校生活に対する不安感が強く、登校できなくなるようです。

 母親と触れ合う時間を増やし、愛情を感じられるようになれば改善しますが、年齢が高い子だと母との関係以外の要因(学力や学校の仲間との関係等)も関わっている場合が多いので、改善に時間がかかります。

 親子関係で言うと、親から過度の期待を受けて育ったことで息切れしてしまうケースもあるようです。学力が優秀な子や、積極的に親を手伝ったり助けたりしてきた子が、それに疲れ、親の期待に応えられないと感じて心が折れてしまうのです。

 こういう子は自己肯定感が極端に下がってしまうので、自傷行為をしたり自殺願望を持ったりすることもあるので、注意が必要です。

 無理をしなくても大丈夫、精神的に疲れたときは休んで良い、と周囲の人が伝えて愛情深く接することが大切です。

放任、ネグレクトが疑われる家庭環境に起因する不登校

 親が子の面倒を見ず、家庭内で安心感が感じられないために、登校する気力をなくす、というケースがあります。

 小学生の頃から家で学習できる環境ではないので宿題ができず、学力が低い子がいます。学習用具がきちんと揃えられず忘れ物が多いので、学校生活に支障が出ることがあります。

 そういう生活が続くので学校生活が嫌になって、登校する意欲がなくなり、家で無気力に過ごすようになります。

 親に支援を求めても子の生活を改善する余裕が親自身にない場合が多いので、登校するのは難しいです。ネグレクトが酷い場合は虐待に当たるので、児童相談所などに連絡して外部からの支援も考えます。

 民生委員さんからの声掛けなど、親への支援も必要ならしていきます。外部の支援を要請するのは、生徒指導担当や管理職の仕事です。積極的に動いてもらいましょう。

不登校を理解してほしい

 不登校の原因や対処に付いて書いてきましたが、まず第一に思うのは不登校について多くの人に理解してほしいということです。不登校について安易に学校や子ども、親等を批判しないでほしいと思います。

 特に学校の先生方がまず理解してほしいです。子どもが甘えている、家庭の教育力が足りない、担任の学級経営が悪い、子どもが引きこもってもネットやゲーム等に逃げられる社会の環境が悪い等、確かにその要因がゼロではないかもしれませんが、主な要因は子どもの心の不適応です。

 まずはそのことを理解してほしいです。何か一つを改善したら良くなるという単純なものではありません。誰かを責めて追い詰めることは問題の解決を遅らせるだけです。学校と親が協力して動くことが子どもの幸せに繋がります。

不登校生の受け皿になる場や人を増やしてほしい

 これまで述べたように不登校の子の不適応の度合いは様々です。別室登校ができる子や放課後に来て先生と話すことならできる子、リモートで授業を受けられる子、家庭訪問すれば話せる子等、色々な子がいます。

 それはいずれも個別の対応になるので教員の負担になりますし、十分対応できないことも出てきます。スクール相談員やスクールカウンセラーは大抵勤務時間が短いので、サポートできる時間帯が限られますし、不登校生の人数が多いと対応が難しくなります。

 不登校特例校(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm)を開設した地域があるようですが、どの学校も人気のようです。

 不登校生が自分の通っている学校に復帰するのは心理的なハードルが高い場合が多いことや、一般の学校では不登校生に向けた対応が十分できないことを、不登校生の親も感じているからだと思います。

 不登校特例校は今後も増えていくということなので、利用する子どもは今後も増えるでしょう。

 中学校時代に不登校だった子が、不登校生に対応できる高校へ進学して無事に卒業するケースは多いです。(不登校生に対応できる高校:私立高校の一部、定時制高校の一部、通信制サポート校等で、中学校の頃不登校だった子を積極的に受け入れている。)

 不登校の子が通える場(教育支援センター)を設けている自治体は多いですし、民間のフリースクールもあり、それらを利用している子どももいます。

 多様性と言うなら、そうした場をたくさん作って気軽に活用できると良いと思います。地域の学校に登校するのが普通で、不登校になって違う機関に頼るのは問題である、というような見方は誰の得にもならないのでやめたいものです。

 どんな場でも子どもが伸び伸びと力を発揮し伸ばせることが大事で、そういう場を増やすことは大人のするべきことだと思います。

 もちろん学校の先生たちは学校をそういう場にできるように日々努力していると思いますが、学校は時間通りに集団で活動する場所ですし、人間関係も固定的なので、不適応を起こす子がいるのはある意味当然です。

(昔はそんな子はいなかったとおっしゃる人もいるかもしれませんが、昔は子どもを型にはめ、枠から外れないのが当たり前と考える社会環境でしたから、今とは事情が違います。)

 学校内の受け皿(別室で学習できる場や対応する人)も外部の受け皿も増やしていきたいものです。クラスに1人程度不登校生がいる現状ですから、まだまだ対応する人や場は不足していると言えます。

不登校について思うこと

 世間の人たち不登校に対して感じていそうなことと私の感覚で違うな、と感じることを書かせてください。

不登校生が多い学校は問題か?

 不登校という側面だけで見れば不登校生が多いのは確かに問題です。

 でも、私の経験上で言うと、学校が落ち着いている方が(=荒れていない方が)不登校生は多かったです。(あくまでも私の経験上であって統計があるわけではないですが)

 授業中に私語が多くて先生と生徒が言い合ったり、問題生徒たちが授業を抜け出して廊下を徘徊したりするような学校では、むしろ不登校生は少なかったです。学校としてきちんとしている方が不登校生は多かったです。

 荒れている学校は先生たちの意識が問題生徒に行くので、一般の生徒は手を抜けるし気楽なのかもしれません。落ち着いた学校では多くの子がしっかりしているので、学校に不適応を起こしている子が自身の不適応感を感じやすいのかもしれません。

 問題生徒が多いとその子たちが学校に不適応な姿を堂々と見せているので、他の子は不適応感を感じなくてすむのかな、とも思います。あの子たちに比べれば自分はちゃんとやっている、と思えるわけです。

いじめられっ子は不登校になる?

 不登校の原因はいじめであることが多い、と考えている人は多いと思います。半分正しく半分間違っていると思います。

 「いじめのせいで不登校になった」という認識の不登校生や親はけっこういます。けれど、いじめられても不登校にならない子の方が実際は多いです。

 いじめの大半は軽いいじめです。(ここで言う「軽いいじめ」は、特定の子から繰り返し悪口やからかい等の不快な言動をされる、というレベルのものと考えてください。)

 軽いいじめは教師が働きかければ解決します。解決すればいじめられた子は不登校になりません。でも、いじめが解決しても学校に来られない子がいます。前に書きましたが、いじめがきっかけで不適応が起きた子です。

 軽いいじめは日常的に起こるものなので、なくすことは不可能であり、起こるたびに子どもたちに考えさせ、学びに繋げるべきものです。

 「いじめ=不登校」ではないので、いじめをなくせば不登校はなくなる、ということではありません。

重大ないじめと軽いいじめは別のもの

 悲しいことにいじめが原因で自殺する子がいます。この場合のいじめは大抵いじめと呼ぶのはおかしい重大なもの(犯罪に近い、もしくは犯罪そのもの)です。複数の相手から暴力や嫌がらせ、恐喝を受けている、というような場合がほとんどです。

 自殺するくらいなら登校をやめて回避すればいいのにと残念がる人も多いと思います。私もその通りだと思いますが、それ以前にいじめと不登校を結び付けて考えることが違うのだとも思います。

 何度も言いますが、いじめがきっかけの不登校はありますが、あくまでもきっかけであって原因は学校に対する不適応です。

 いじめで自殺する子は学校生活に不適応を起こしているわけではありません。むしろ学校生活は自分の人生そのものという意識で生活しています。

 だから学校の仲間たちから暴力を振るわれ酷い扱いを受けるのは、人生を破壊されているのと同じです。自分の人生に絶望して命を絶ったのです。

 重大ないじめによって不登校になった子もいると思いますが、人生に絶望しながら命だけは助かったのです。重大ないじめは絶対に起こしてはいけません。

 いじめについて書いたとき(https://nina-kyoiku-blog.com/ijimetoha)も言いましたが、軽いいじめと重大ないじめを同じ「いじめ」という言葉で表現するのは本当はやめたいし、やめてほしいです。

 日常的なトラブルと犯罪を同じ言葉で言うと本質を見失います。軽いいじめで起きる不登校は、繊細な子が学校に対して不適応を起こしたものですが、重大ないじめで起きる不登校は命を守るための苦渋の選択です。同じものではありません。

 だから、軽いいじめで不登校になった子について「もしかしたら自殺していたかもしれない」などと言うのは大抵の場合大袈裟すぎます。

 重大ないじめで自殺した子について「死ぬくらいなら不登校になればいいのに」などと言うのは本質を見誤っています。

 どちらもありがちな見方ですが、違うと思います。

最後に

 さて、不登校について書いてきましたが、以上で終わります。私が書いてきた内容は私個人の経験に基づく考えなので、納得された部分もされない部分もあると思います。それでも不登校について考えるきっかけにしていただけると幸いです。

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