はじめまして。長年務めた教員を辞め、今はのんびりしている元中学校教師です。
このブログを書こうと思ったのは、今現役で頑張っておられる先生方に少しでも元気になってもらいたい、という気持ちからです。
私は管理職の経験も教育委員会で勤めたことも、いわゆる研究校に勤務したこともないしがない教員でしたが、その分普通の中学校の担任の経験は長いです。だからこそ普通の先生の立場や状況はよくわかるつもりです。
教師という仕事がとても大変で、ブラックと言われるようになって何年もたっています。そんな中で頑張っている先生方が、このブログを読んで気持ちが楽になった、励まされた、また頑張ろうと思ってもらえたらいいなと思っています。
ブログ初心者なので、上手く書けるかどうかわかりませんが、良かったら読んでやってください。
基本の思い
教師という仕事がブラックと言われるようになり、私自身もそうだなと感じながらやってきました。
でも、日本という国を支えてきたのは教育ですよ。マナーを守り、礼儀正しい。協調性があり、他人を気遣うことが当たり前にできる。言い訳せずに真面目に働く。そういう日本人の国民性は公教育によって培われてきました。資源のない日本では人が資源です。それを忘れたら日本は終わりです。
学校の先生方は尊いお仕事をされているのです。自信と誇りを持ってほしいです。でも、こんな尊い仕事なのに報われないことも多いですよね。先生方の明日への活力になり、お役に立てるブログを目指します。
ブログを書く際に気を付けたいと思っていること
このブログは経験の少ない若い先生向けに書こうと思っています。ただ誰でも見られるものなので、学校の先生以外の人が読んでも伝わる表現を心がけたいです。
学校の先生なら普通にわかる言葉に解説を付けたり、一般の人に伝わりやすい表現に変えたりすることがあると思うので了解していただきたいです。そういう配慮をしてもニュアンスが伝わらなかったり、逆にわかりにくくなることがあったらごめんなさい。
それから、生徒、保護者、教員に関わる具体的な事例はあいまいな書き方をしたり、SNSやネット、書籍等から得たものを使ったりするようにします。万が一私が身バレしたときに「自分のことを晒された」と感じさせてはいけないと思いますので。
もしもこのブログに興味を持っていただける方がおられましたら、読んでいただけると嬉しいです。
理想の先生にならなくても
これを読んでおられる先生方はどんな理由で教員を目指しましたか。おそらく何らかの理想を抱いて教師を志し、そして今も理想を持って日々仕事をしておられるのではないでしょうか。
でも敢えて言います。理想の先生にならなくてもいいです。
今のままでも先生は十分素晴らしい先生です!
理想の教師像に苦しんでいませんか?
先生方の心の中には「こんな先生になりたい」という理想形があると思います。
「中学2年のときの担任の先生がとてもいい先生だったから、そんな先生になりたい」あるいは「ドラマの〇〇先生みたいになりたいと思って教師を目指した」というように。また、教師になってからも先輩の先生でとても良い仕事をしている人がいて、あんなふうになりたいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、そういう理想の教師像が自分を苦しめていませんか?
生徒が「〇〇先生が担任だったら良かった」と別の先生の名前を挙げるのを聞いて落ち込んだり、保護者に「うちの子は小学校6年生のときの担任の先生にはとてもなついていたのですが」と言われて落ち込んだり、という経験をしたことがある人もいるかもしれません。
「自分は自分が理想としていた教師に全くなれていない。それどころかどうしたらそうなれるのか見当もつかない」と自己嫌悪に陥っている人もいるかもしれません。
でも考えてみてください。あなたの学生生活を振り返って、あなたが理想と感じる先生は何人いましたか?大部分は特に印象に残らない先生で、中には悪い印象しか覚えていない先生すらいるでしょう。
教員はみんな子どものために頑張っている
ではあなたは印象に残らない先生や、悪い印象で覚えている先生の世話になっていなかったのでしょうか。教員になった今ならわかると思いますが、あなたはどの先生にもお世話になっていました。教科担任として、部活の顧問として、生徒会活動や行事などで、みんな何かしらの関わりであなたの学校生活を支えてくださっていました。
あなたも生徒も保護者も、学生としての生活を経験した人は、一番良い印象で記憶している先生を基準にして教員を見がちです。今年の担任ははずれだ、などと言っている保護者や生徒がいると噂で聞きますが、非常に不遜な心掛けです。
現実的には先生方は個人ではなく、先生みんなで協力して生徒を見ています。皆さんそれぞれが自分の役割で頑張っているのです。だから正直に言うと、私は漫画やドラマに出てくるようなスタンドプレーの多い先生が好きじゃないです。
理想の先生に縛られなくてもいい
理想を目指して努力することは素晴らしいですが、それに縛られ過ぎなくていいと思います。
結果、自分が生徒の印象にあまり残らない先生だったとしても、真面目に働き、生徒を支える仕事ができていればいいのです。毎日出勤し、生徒の前に立ち、自分のやるべきことを続けてできていることを、誇りに思いましょう。
仕事の優先順位
教師の仕事は忙しいです。なんとか人員を増やす対策を国にしてほしいですが、すぐに実現するとは思えません。当面は自分でできる努力をするしかないでしょう。
自分でできる努力の一つに優先順位を考えて仕事をする、ということがあります。優先順位を意識できていると、あれもこれもやらなきゃ、どれからやればいいんだ?と迷うことがなくなるので、仕事の取り掛かりが早くなりますし見通しを持って計画的に仕事ができます。
私が考える優先すべき仕事の順番を書きます。
①子どもの命に関わること
地震などの災害、不審者の侵入、事故、危険な行為(物を振り回して暴れる、殴り合う、高い場所に登る等)、子どもの行方がわからなくなる、急激な体調不良、といった、緊急事態への対処は最優先です。
日常的に起こることではありませんが、これが最優先だということは常に頭に置くべきでしょう。
いじめへの対処や予防も子どもの命に関わることだと考えて優先的に行います。
②保護者から頼まれたこと
例えば「プリントをなくしてしまいました。もう一度もらえませんか。」というような些細なお願いであっても、絶対忘れずに行いましょう。親の信頼を失ったら教育効果は大きくダウンします。問題を抱えている子の親から相談されたならなおさらです。
③子どもが個人的に頼んできたこと
例えば子どもが「提出物のプリントをなくしてしまったのでもう一枚ください。」と言ってきたら「何でなくす⁉」と内心思いますがぐっとこらえましょう。怒ったら二度と頼み事はしてこなくなるかもしれません。
子どもが個人的に話しかけてきたら子どもを理解するチャンス、指導のチャンス、信頼を得るチャンスと考えて、ラッキーだと思いましょう。「〇〇さんがプリントをなくすなんて意外だなあ」とか「提出に間に合うようにもらいにきたのは偉いね」などとポジティブに言えたら素敵です。
④管理職や担当の先生から指示されたこと
これは重要な仕事に決まっている(そうでないこともないことはないが)と考えて、早めに片付けてスッキリしましょう。
学校全体または学年全体で行う仕事についての指示なので、自分がやらないとその部分が遅れて全体に迷惑がかかりますから、とにかく早めにやってしまうことです。
②~④の仕事が複数同時にある日も多いでしょうが、締切が早いと思われるものからどんどんやりましょう。②~④が終わったら(見通しが付いたら)自分の仕事をします。
⑤自分の仕事
自分の仕事の優先順位は難しくないと思います。①今日中にやるべき仕事、②明日のための準備、③明後日以降のための準備、です。
自分の仕事の中でも全校や学年のための仕事の方が優先順位は高いと考えましょう。自分がやりたい仕事を優先させて、保護者、子どもからの頼まれごとを忘れたり、全校の仕事を後回しにしたりすることがないように気を付けましょう。
例えば楽しい授業を思い付いてその準備に熱中していて、子どもから集めたPTA関係のプリントを教頭に提出するのを忘れ、教頭から「まだですか?」と請求される、というのはダメです。
先生たちが一番やりたい仕事は、子どもたちのために授業を工夫したり子どもたちに語る面白い話を考えたりすることですよね。でもあえて言います。自分の仕事の優先順位は最後です。
全校や学年に関わる仕事を後回しにすると他の先生に迷惑をかけストレスを与えます。自分が担当者になったとき、自分が先生方に頼んだことをやってもらえないと困りますよね。そこはお互い様なので優先的にするようにしましょう。
まとめ
先生という職業を選んだときに、やりたいと思っていたことはそれぞれあったと思います。よくわかる楽しい授業をすることや子どもが楽しく生活できる学級を作ること、子どもたちの悩みを解決したり成長を促したりしたいと思っていた人が多いと思います。
でも実際先生になってみると、イメージになかった仕事が多いことに気付きます。先生にも日直の仕事があったり、校務分掌の仕事に関わって会議で提案したり、管理職や事務の先生に提出する文書があったりと、細々した仕事がたくさんあります。
そうした仕事はあまり考え過ぎずに効率的にこなして、自分のやりたい仕事に時間を取れるように努力しましょう。
仕事のシステム化
教員が効率的に仕事をするために自分たちでできる努力の一つに、仕事をシステム化(誰がやっても同じ成果を得られるやり方をすること)があります。
今回は私の経験から思うシステム化について紹介します。
学級の基本的な運営をシステム化する
昔は何でも自分流にやりたがる先生が多かったです。(今もいると思います。)でもそれは効率が悪くなる原因になります。
例えば朝や帰りの短学活のメニュー、学級の係の決め方、掃除のやり方等をそれぞれの担任が独自の方法でやると、生徒は次の年度に新しい担任のやり方を1から覚えないといけません。やり方が定着するのに時間がかかるし、生徒によっては「前の担任のやり方の方が良かった」と言います。
よく考えてみれば大差のないことについて「せっかく前の担任のやり方に慣れてうまくいっていたのになぜ変えるの?」という気持ちを生徒に起こさせるのは気の毒です。先生や学校に対する不信感につながる可能性すらあります。
1年生のときに学年としてのやり方を決め、学年が進んでも同様に行いましょう。
もちろん学級の実態や生徒からの要望でやり方を改善するのは問題ないです。小学校だと児童の発達段階によって変えていくのがむしろ普通でしょう。ただ毎年やり方が全然違う、と感じさせることはないようにしたいものです。
行事をシステム化する
行事もやり方を毎年コロコロ変えないようにした方が、教師も生徒もストレスがなく上手くできます。
運動会のように上級生がリーダーシップを発揮する行事では、下の学年の子たちは上の学年の子たちの姿を見て来年の自分たちの姿をイメージし、モチベーションを上げます。そして次年度にはその姿を見習って活動しようとします。
ところが学校の先生の中には何かと独自色を出したがる人がいます。
生徒は毎年変わっていくので例年通りでも生徒にとっては初めてです。それに子供は案外保守的で、上級生と同じようにできることが嬉しいのです。
例えば中学校で運動会の種目を変えると必ず「えー!先輩たちがやっていたあの競技、やりたかったのにー!」と苦情を言う生徒が結構な人数出てきます。「こういう理由で変えたんだよ」といちいち説明しないといけなくなります。
もちろん必要な改善はしなければなりません。
生徒の安全が第一なのに危険な競技をいつまでもやめられない学校がありますよね。あれはダメです。時短や効率化につながる改善はもちろん積極的にしていきましょう。
改善したことも含め行事の運営のし方の記録を残して、次年度も同様に行えるように引き継ぎましょう。
個人の仕事をシステム化する
個人の仕事も例年通りで上手くいく部分は例年と同じにして良いです。向上を目指すことは尊いことですが、変えるのは上手くいかなかった部分だけでいいです。
以前と同じやり方を繰り返すことに抵抗を感じる人がいます。(特に授業についてその傾向が強い)しかし、やらなきゃいけない仕事はたくさんありますし、仕事以外の生活も大事です。
前年度概ね上手くいったことは無理に改善しようと思わず同じ方法でやれば良いと考えましょう。他の人の真似で上手くいくなら積極的に真似することで、上手くいくやり方を効率的に見つけるようにしましょう。
ただ、改善しようと思う部分があったのに忙しさに紛れて忘れていて、改善しない形でやり始めてしまうことがあります。
自分がやったこと考えたことを記録して見返す習慣は付けた方が良いです。記録するのはそのときは面倒ですが、次やるときに記録を見ながらやれば楽にできるので効率的です。
まとめ
システム化というちょっとわかりにくい言葉を使ってしまいましたが、上手くいくやり方は無理に変えずにそれをやり続ける方が効率的だということです。
改革は本当に必要な場合に必要な部分のみに行い、要らない仕事を増やさないようにみんなで心がけたいものです。
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